ビリヤードのマナー

ビリヤードのマナー
Billiards Guide Manners

ビリヤードのマナー 知っておくと、もっと楽しくなる。

ビリヤード場は、誰でも入れる場所です。でも、初めて行く前に少しだけ知っておくと、ぐっと楽しみやすくなることがあります。難しいルールではありません。友達の家にお邪魔する時と同じような、ちょっとした気配りの話です。ステップアップするたびに、少しずつ読み返してみてください。

Scene 1

友達と、初めて行く日。

誰もが通る、最初の一歩。

初めてのビリヤード場は、少し緊張するかもしれません。でも、ここに書いてあることを知っていれば大丈夫。ルールというより、「場所をみんなで気持ちよく使うための約束」です。

道具は、借り物だと思って使う

お店のキューやボールは、あなたの前にも後にも、たくさんの人が使うものです。キューを振り回したり、ボールを投げたりしないように。使い終わったら、元の場所に丁寧に戻しましょう。

テーブルには乗らない、腰掛けない

ビリヤードのテーブルは精密な機器で、体重がかかると水平が狂ってしまいます。座ったり、寄りかかったりするのはやめましょう。テーブルの上に置いていいのは、キューとボールだけです。

食べ物・飲み物はテーブルから離して

ラシャ(テーブルのフェルト)は一度汚れると修復が難しい素材です。ドリンクもお菓子も、テーブルから少し離れた場所で楽しみましょう。

スマートフォンはマナーモードに

突然鳴り響く着信音は、周囲のプレーヤーの集中を乱します。ビリヤード場では、スマートフォンをマナーモードにしておくのが基本です。通話が必要な場合は、テーブルから離れた場所で。

隣のテーブルのプレーエリアを塞がない

複数人で来ると、テーブルの周りに自然と人が集まります。ワイワイ楽しむのはもちろん大歓迎。ただ、気づかないうちに隣のテーブルのプレーエリアを塞いでしまっていることがあります。ショットのために体を大きく伸ばしたい人が、動けなくなってしまうのです。少し立ち位置を意識するだけで、お互い気持ちよく過ごせます。

マッセ・ジャンプショットの真似はしない

プロの試合で見るような、キューを立てて撞くマッセショットやボールを飛び越えるジャンプショットは、専用のキューと高度な技術が必要です。見よう見まねで試すと、ラシャを破いたりボールが予想外の方向に飛んで危険です。最初のうちは絶対にやめましょう。

Scene 2

ちょっと上手くなって、誰かと撞く時。

1対1のゲームには、独特のリズムがある。

何度か通ううちに、誰かと1対1でゲームをする機会が生まれます。そこには、友達と遊ぶのとは少し違う、ゲームを誠実に進めるための作法があります。難しくはありません。相手への敬意を持っていれば、自然と身につきます。

「お願いします」と「ありがとうございました」

ゲームの始まりと終わりに交わすこの二言が、すべての土台です。勝っても負けても、上手くても下手でも——この挨拶があるだけで、ゲームは誠実なものになります。

相手のショット中は、視界に入らない場所で待つ

相手がキューを構えているとき、視界の端の動きでも集中が乱れることがあります。ショットの方向の延長線上には近づかず、できるだけ静止して待ちましょう。そのプレーが終わってから動くのが礼儀です。

相手のナイスショットには、素直に反応する

素晴らしいショットを目にしたとき、「ナイス」の一言や小さな拍手で伝えましょう。対戦相手であっても、良いプレーを称えることがビリヤードの文化です。周囲の迷惑にならない程度に、自然に。

フロックには「失礼」の一言を

狙い通りではなく、まぐれで入ったボールをフロックと言います。黙ってそのまま続けることもできますが、「失礼」と一言添えることが、ゲームを誠実に保ちます。その小さな正直さが、相手への敬意になります。

ファウルは、自分から声に出して伝える

見えていたとしても、相手が黙っているとしても——ファウルは自分から申告するのがルールです。「ファウルです」その一言が、ゲームへの誠実さを示します。正直であることが、最もかっこいいプレーのひとつです。

求められていないアドバイスはしない

善意であっても、相手が望んでいないコーチや批評はやめましょう。教えたいなら、相手が聞いてきてから。それが、対等な関係の保ち方です。

Scene 3

試合を、観に行く日。

観客もまた、その場をつくる一人。

Yokohama Openのような大会を観戦しに行く機会があれば、ぜひ足を運んでみてください。プレーヤーたちの集中と緊張を間近で感じられる、特別な体験です。観客として、その空間を一緒に作る一員になるための心がけをご紹介します。

ショット中は静かに

プレーヤーがショットに向かう瞬間、会場は静寂に包まれます。その静けさが、集中を支えています。ショット中の声や音は、できる限り控えましょう。拍手や声援は、ショットが終わった後に。

撮影はフラッシュなしで

試合の様子を写真や動画に残したい気持ちはよくわかります。ただ、フラッシュはプレーヤーの視界を乱す可能性があります。撮影する場合はフラッシュオフで。また、撮影可能かどうか事前に確認しておくと安心です。

移動はショットとショットの間に

観戦中に席を移動したい場合は、ショットが終わったタイミングで。プレー中の移動は視界の邪魔になることがあります。少し待てば、必ずタイミングは来ます。

両選手に、同じ敬意を

応援したい選手がいても、対戦相手へのヤジや嘲笑はやめましょう。プレーヤーは皆、真剣にゲームに向き合っています。どちらのナイスショットにも、惜しみなく拍手を。その観客の姿勢が、試合をより良いものにします。

マナーは、ビリヤードをもっと楽しくする。

Scene 1から読んできた方は、もうビリヤード場に行く準備ができています。最初は何もわからなくて当然です。知らなかったことは、知ればいい。上手くなるにつれて、Scene 2もScene 3も、自然と身についていきます。マナーとは制限ではなく、その場にいる全員が気持ちよくいられるための合意です。あなたがビリヤード場で過ごす時間が、かけがえのないものになることを願っています。