住まいエージェント presents Yokohama BC Count9 Battle 2026を終えて、実行委員会として改めて感じたことをお伝えします。
本日のテーマは「コンディショニング」です。
今大会を振り返ると、朝から戦い続けた選手たちが試合を勝ち上がるにつれて、疲れからか若干精度が落ちてしまった場面が見受けられました。
技術がないわけではない。
普段の練習では入るはずの球。
でも長丁場の終盤になると、どこか判断が鈍くなり、ショットに迷いが生まれる——そんな場面が正直ありました。
これは今大会の選手だけの話ではないはずです。
ハウストーナメントや練習ラウンドで、後半になるほど調子が落ちると感じたことはありませんか?
朝イチと夜とでは、なぜかショットの感覚が違うと思ったことは?
大事な場面で、なぜか普段より判断が遅くなると感じたことは?
もしかしたら、それはコンディショニングの問題かもしれません。
1日に何試合、戦い続けますか?
国内のビリヤードの試合は、1日に何試合もこなす形式がほとんどです。
今大会も朝から始まり、1試合1時間超の戦いが続きました。
ベスト32、ベスト16、準決勝、決勝——勝ち上がるほど、より多くの試合を戦い続けなければなりません。
その間、頭は常にフル回転しています。
配置を読み、ポジションを組み立て、フリーボールの置き場所を考え、相手の出方を読む。
ビリヤードは一見すると静的なスポーツに見えますが、脳が消費するエネルギーは相当なものです。
そしてその消耗は、試合後半になればなるほど、じわじわとパフォーマンスに影響してきます。
負けた原因、本当にショットミスだけですか?
試合に負けた後、こんな反省をしたことはありませんか。
「力んだ」「考えすぎた」「集中力が切れた」——
もちろんそれは正しい反省です。
でも、もう一つ視点を加えてほしいのです。
コンディショニングの問題だったかもしれない。
睡眠は十分だったか。
試合前後の食事はどうだったか。
水分は補給できていたか。
長時間の思考と集中によって脳のエネルギー源であるブドウ糖が消費され、判断力や集中力が落ちていた可能性はないか——こういった観点から試合を振り返る習慣を持っている人は、ビリヤードプレイヤーの中でどれだけいるでしょうか。
「後半になると調子が落ちる」「疲れてくると消極的な選択が増える」——それは技術の問題だけではないかもしれません。
「座っているだけ」でも、身体は戦っている——他競技の実例
ビリヤードと同様に「静的に見えながらも脳と神経をフル稼働させる競技」の世界では、すでにコンディショニングの重要性が証明されています。
スヌーカー世界チャンピオン・ロニー・オサリバン
スヌーカー界の伝説、7度の世界チャンピオン・ロニー・オサリバンは、42歳のシーズンに栄養管理を本格的に取り入れ、キャリア最高レベルのパフォーマンスを発揮しました。
ハーレー・ストリートの栄養士リアノン・ランバートと協力し、食事改革に取り組んだオサリバンはこう語っています。
「ランバートに出会う前は十分なプレーをしていたが、スタミナが切れていた。悪い食事を摂っていたから疲れていたのだ。食事を変えてから、これほどエネルギーに満ちていたことはない。」
スヌーカーはクルーシブル(世界選手権会場)で1日最大10時間試合が続くこともある競技です。
ランバート氏は「スヌーカーには膨大な集中力とスタミナが求められる。栄養豊富な食事を十分に摂らなければ、エネルギー・気分・脳機能に悪影響を及ぼす。試合前後の栄養補給は身体的パフォーマンスに不可欠だ」と語っています。
ビリヤードとスヌーカーはキュースポーツとして非常に近い競技です。
スヌーカー界のトップがここまで栄養管理に真剣に取り組んでいるという事実は、ビリヤードプレイヤーにとっても無関係ではないはずです。
🔗 https://ronnieo147.com/2018/05/25/the-importance-of-being-fit/
🔗 https://blog.betway.com/snooker/ronnie-osullivan-on-healthy-eating-exercise-and-snooker/
チェスグランドマスター・マグヌス・カールセン
世界チェス王者のカールセンは、2017年頃に自身のパフォーマンス低下を感じ、父親とともにオスロのオリンピックトレーニングセンターを訪れ、パフォーマンス専門家にアドバイスを求めました。
その結果、子どもの頃から愛用していたオレンジジュース入りの水が試合後半の血糖値クラッシュを招いていたことが判明。
チョコレートミルクと普通のミルクのミックスに切り替えることで、「血糖値の大きな変動がなくなり、重要な場面での疲労が軽減された」と父ヘンリクが語っています。
さらに専属シェフのマグヌス・フォルセルを帯同し、試合前にはパスタでエネルギーを蓄えるなど、食事管理を徹底。
チェスをするための「最適な座り方」まで研究し、身体的な消耗を最小限に抑える姿勢を開発しました。
スタンフォード大学の研究では、プロチェスプレイヤーのトーナメント中の消費カロリーは1日6,000kcalに達する可能性があるとされています。
将棋棋士・羽生善治
平成の将棋界を制した羽生善治は「長時間の対局で消耗し疲労する棋士とアスリートとの共通点はある」と語っています。
実際、棋士は1局で体重が2〜3kg減少することもあるとされており、食事と栄養補給が競技パフォーマンスに直結することは将棋界でもすでに共通認識となっています。
藤井聡太の「対局中のおやつ」が話題になるのも、脳へのブドウ糖補給という観点から理にかなった行動です。
🔗 https://number.bunshun.jp/articles/-/859443
Eスポーツプレイヤー
アメリカのプロEスポーツチームCLG(Counter Logic Gaming)では、専属シェフが選手の食事を管理し「長時間スクリーンの前で過ごすため、エネルギーの持続がカギ」として高タンパク・低GIの食事を提供しています。
2024年にはIOC(国際オリンピック委員会)が独立した国際大会「オリンピックeスポーツゲームズ」の創設を決定するなど、eスポーツは競技スポーツとして世界的に認知が高まっています。
その選手たちですら栄養管理・睡眠・生活リズムの整備を競技の一部として取り組んでいます。
🔗 https://www.yhmf.jp/as/postnumber/vol_80_07.html
これらの競技に共通しているのは、「身体を大きく動かさない競技でも、コンディショニングは結果を左右する」という事実です。
サッカーも同様です。
栄養管理、試合前のカーボローディング、試合中の補給タイミング——そういった研究と実践の積み重ねが、近年の日本代表が世界と互角に戦えるようになった要因の一つでもあります。
実行委員会メンバーの実践例
実行委員会メンバーの中には、他の競技でプロとして活動していた経験を持つ者がいます。
その経験の中で実際に取り入れていたコンディショニングをいくつかご紹介します。
疲労回復:リンゴ酢×はちみつドリンク
リンゴ酢を水で割り、はちみつを加えたドリンクを日常的に摂取していました。
リンゴ酢に含まれるクエン酸は疲労物質の代謝を助け、はちみつの糖分は素早いエネルギー補給に役立ちます。
試合の合間や練習後の回復に効果を感じていました。
脂肪をエネルギーに変える:L-カルニチン
L-カルニチンは、脂肪酸をミトコンドリアに運び込み、エネルギーとして効率よく燃焼させる働きがあります。
長丁場の試合でスタミナを維持するために摂取していました。
ビリヤードのような長時間の競技にも応用できる考え方です。
基本の食生活:低脂肪・高タンパク
日々の食事は低脂肪・高タンパクを意識することで、体重管理とエネルギー効率の両立を図っていました。
試合前のカーボローディング(炭水化物を意識的に増やすこと)も、長時間の集中力を維持するために有効な手段です。
これらはあくまで一例です。
ただ、こういった視点を持つだけでも、試合への向き合い方は変わってくるはずです。
ビリヤードプレイヤーに伝えたいこと
ビリヤードは、プロも含めてコンディショニングへの意識がまだ低い競技だと感じています。
でも考えてみてください。
朝から夜まで、1試合1時間超の戦いを何度も繰り返す。
これだけの長丁場を戦い抜くために、身体と脳のコンディションを整えることは、練習と同じくらい重要なはずです。
試合当日の食事、水分補給、糖分の補給タイミング。
前日の睡眠、アルコールの量。
試合と試合の間の過ごし方。
こういった視点を持つだけで、あなたのパフォーマンスは変わるかもしれません。
上手くいかなかった時、ショットの技術だけでなく、コンディションという観点からも振り返る習慣を持ってほしい。
それが、長丁場を勝ち抜く力につながると実行委員会は考えています。
ビリヤード特有の身体的負担を、栄養でケアする
ビリヤードは独特のフォームを長時間維持するスポーツです。首・肩・腰・膝など、慢性的な痛みや違和感を抱えているプレイヤーは少なくありません。
こういった身体的な負担も、日々の食事や、食事だけでは補いきれない部分をサプリメントで補うことで、緩和できる可能性があります。
慢性的な炎症を抑えるオメガ3脂肪酸、関節のケアに関わるグルコサミンやコンドロイチン、筋肉や骨を支えるマグネシウムやカルシウムなど——「痛みがあるから仕方ない」と諦める前に、栄養という観点からアプローチしてみる価値はあるはずです。
睡眠の質も同様です。
深い睡眠は身体の回復だけでなく、脳の整理整頓にも不可欠です。
睡眠の質を高めるトリプトファン(セロトニン・メラトニンの原料)やマグネシウムなど、栄養素の観点から睡眠を見直すことで、翌日のパフォーマンスが変わることもあります。
そして視覚と脳の処理能力についても触れておきたいと思います。
ビリヤードは目から入る情報を脳で処理し、距離・角度・スピードを瞬時に判断して身体に指示を出すスポーツです。
この一連のプロセスを支えるためにも、様々な栄養素が必要です。
目の健康を支えるルテインやアスタキサンチン、脳の神経伝達をサポートするビタミンB群やDHA——これらが不足すれば、いくら技術があっても情報処理の精度に影響が出てくる可能性があります。
練習で技術を磨くことと、身体と脳を栄養で整えること。
この両輪があって初めて、あなたのビリヤードは最大のパフォーマンスを発揮できるのではないでしょうか。
なお、以前のブログでは慢性的な痛みや睡眠の質に悩むビリヤードプレイヤーに向けて、CBDクリーム「biyeoji」の実体験レビューを書いています。
独特のフォームから生じる身体的な負担と向き合ってきた実行委員会メンバーの本音が詰まった記事です。
コンディショニングに関心を持った方はぜひこちらも合わせてご覧ください。
👉 アスリートにもオススメ?「biyeojiクリーム」を本音レビュー
ビリヤード選手を応援してくれている、ビリヤード業界外の存在
少し紹介したいブランドがあります。
ココカラダは、ビリヤード選手を広くサポートしているブランドです。
今大会の解説者・土方プロと羅プロのスポンサーでもあります。
なぜビリヤード業界外のブランドがビリヤード選手を応援しているのか——それは、このブログで伝えてきた「コンディショニングと栄養の重要性」を理解しているからだと実行委員会は感じています。
これは宣伝がしたいわけではありません。
ただ、業界外からビリヤードというスポーツの可能性を信じてサポートしてくれる存在がいることを、ビリヤードに関わる皆さんに知ってほしかったのです。
より良いパフォーマンスを発揮するための準備は、日々必要です。
栄養という観点からビリヤードと向き合ってみることを、ぜひ一度考えてみてください。
