はじめてのビリヤード
-
気づいたら、競技になっていた。
最初は、遊びだった。 友人と笑いながら撞いて、外れて笑って、入ったら喜んで。 それだけで十分楽しかった。でも、少し通ううちに、変わってきた。 「もう少し入るよう…
-
観た後、なぜか構え方が変わっていた。
配信を、なんとなく開いた。 友人が「面白いから観てみて」と送ってきたリンクだった。 ビリヤードの試合。 正直、あまり期待していなかった。 でも、少しだけ観るつも…
-
なぜか、また来てしまった。
一回だけのつもりだった。 友人に誘われて、なんとなく行った。 キューの握り方もわからなかった。 ほとんど入らなかった。 なのに、翌週また来ていた。 誰に誘われた…
-
指先まで意識したのは、久しぶりだった。
猫背だと、よく言われた。 デスクの前では、気づくと肩が前に出ている。 スマホを見ている時は、首が下がっている。 わかっている。 わかっているけど、気づいた時には…
-
下手な自分が、恥ずかしかった。
夜中だった。 布団の中で、スマホを開いていた。 おすすめに流れてきた動画を、なんとなくタップした。 ギターを弾いている人がいた。 指が、弦の上を信じられない速さ…
-
なんだか、かっこよかった。
金曜の夜だった。 仕事終わりに、いつもの店で飲んでいた。 生ビールが2杯目に差しかかった頃、友人が急に言い出した。 「明日さ、ビリヤードの試合観に行かない?」 …
-
横浜の夏は、終わらない気がした。
朝から、空が重かった。 入道雲が、遠くの海の向こうに積み上がっていた。 湿った風が、山下公園の木々を揺らしていた。 Tシャツが、肌に張り付いた。 それでも、出か…
-
二人でいるのに、スマホを見なかった。——ある夜のこと。
予約したレストランまで、少し時間があった。 「どうする?」と聞いたら、「なんか入ろうか」と言った。 気づいたら、ビリヤード場の扉を開けていた。 ビリヤード場の扉…
-
久しぶりに、ひとつのことだけ考えていた。
気づいたら、またスマホを見ていた。 特に見たいものがあったわけじゃない。 ただ、手が動いていた。 通知が来る。返す。また来る。 動画を開く。1.5倍速で観る。 …
-
続けられなかったのは、あなただけじゃない。
体験レッスンの申し込みフォームを、途中で閉じたことがあります。 日程が合わなかった。 入会金の欄を見て、少し考えた。 「もう少し落ち着いたら」と思って、タブを閉…
