知性×ビリヤード
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スーパーの袋で、指が鬱血した日のこと。
買い物の帰り道だった。 牛乳2本と、ペットボトルと、夕飯の食材。 レジ袋が、指に食い込んでいた。 信号待ちで手を見ると、指先が白くなっていた。 鬱血している。 …
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美しいのは、数式通りにいかないからだった。
数式は、美しい。 入射角と反射角は等しい。 運動量は保存される。 摩擦係数が決まれば、球の減速率も決まる。 すべてが、論理的に成り立っている。 同じ条件で同じ力…
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テーブルの上で、脳が動いている。
その人は、じっとテーブルを見ていた。 腕を組んで、少し首をかしげて、球の配置を見渡している。 何秒だろう。 10秒か、15秒か。 やがて、ゆっくりとテーブルの反…
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同じ問題集を、3周した。それでも、模試の点は伸びなかった。
解ける。家で解けば、解ける。 同じ問題集を3周もやった。正答率は上がった。 ページをめくるたびに、「あ、これ知ってる」と思える問題が増えていった。 手応えはあっ…
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時間が、消えていた。
デスクに、資料が積まれていた。 締切は明後日。 会議が3つ入った。 メールは返せていない。 どこから手をつければいいのかわからないまま、また別のタスクが降ってき…
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今日しか、できないことがある。
また、後回しにした。 メールの返信。 読みかけの本。 ずっと気になっていた電話。 「明日やろう」と思って、また今日が終わっていく。 試合が来週に迫っていた。 で…
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必死に、生きていますか。
何かが、違う気がした。 上司の言葉が、腑に落ちなかった。 会議室で、黙って頷いた。 帰り道、ため息をついた。 間違っているのは、自分なのだろうか。 学生でも、社…
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老いていく。それでも、伸びしろしかない。
夜の福富町。 灯りがにじんでいた。 グラスを傾けながら、ふと思った。 いつの間に、こんな歳になったんだろう。 出会った人たちの顔が、浮かんでくる。 教えてくれた…
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すべてが、繋がる瞬間。——推理小説と、ビリヤードの話。
雨の降る夜だった。 ソファに座り、ページをめくる手が、止まらない。 探偵が、容疑者たちを一人ずつ見渡す。 古びた洋館の応接間、暖炉の火が揺れている。 さっきの何…
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上達すると、人は少し自由になる。——世界の解像度が上がる話。
ブラジルに、逆転で負けた。 後半アディショナルタイム、5分。 あと少しだった。 画面の前で、声が出なかった。 悔しかった。 悔しさの、質が変わった ドーハの悲劇…
