ビリヤードを始めたばかりの頃、こんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
「1人で練習しているけど、何をやれば良いかわからない」「上達しているのかどうかも見えない」——そんな方にぜひ知ってほしい種目があります。
それは、ボーラードです。
ボーラードとは
ボーラードは、10個のボールを使いボウリングのようにスコアをつけていく、日本独自のビリヤード種目です。プロテストでも使用されるほど、日本のビリヤード界に根付いています。
ルールは至ってシンプル。
10個のボールを三角形にラックして、ブレイクで割る。どの球を狙っても構いません(エニーボール)。
ミスをするまでの連続ポケットが、ボウリングでいう「1投」に相当します。
これを10フレーム繰り返し、スコアをつけていきます。
ストライク、スペア——ボウリングと同じ計算方式で、最高得点は300点です。
なぜ初心者に最適なのか
①自分のペースで、自分の課題に集中できる
エニーボールだからこそ、今の自分が最も確率高く入れられると判断した球を選べます。
無理な球を狙う必要がない。
自分の実力に合ったショットを積み重ねることで、厚みの感覚やショット力が自然と磨かれていきます。
②手球のコントロールが身につく
得意な配置を繰り返し狙うことで、その時の手球の動きが体に染み込んでいきます。
最初は得意なパターンが1つでも、2つ、3つと増えていく。
ショットの安定と手球のイメージが、少しずつ確実に積み上がっていきます。
③上達が「見える」
スコアという数字が残ります。
昨日より今日、先週より今週——数字の変化が上達の証明になります。
どの球が得意で、どの球が苦手か。
スコアを振り返るだけで、自分の課題が浮かび上がってきます。
④逆算的思考が鍛えられる
ストライクを取るにはどこがネックか。
この球を向こうのコーナーにしか狙えないなら、次のキーボールをどう考えるか。
ブレイク後の配置から逆算して考える力が、自然と身についていきます。
⑤メンタルが鍛えられる
ボーラードは10フレームです。
出だしで上手くいかない時、心が折れそうになることがあります。
でもそこで集中して巻き返す経験は、試合でのメンタルそのものです。
スコアが悪くても最後まで諦めない——その積み重ねが、競技者としての強さになります。
上級者と一緒にやる楽しさ
横浜のあるビリヤード場では、トッププロから公式戦タイトルホルダーのようなトップアマ、Bクラスの選手まで、様々なレベルの常連が交互にボーラードをやることがあります。
点数ハンデをつけながら、多くの観戦者の前で。
勝敗をつけることが目的ではありません。
それぞれの思考回路を見せ合い、共有するようなものです。
これは非常に面白いですよ。
上級者と一緒にやることで、自分の思考回路が可視化され、言語化されます。
自分より知識と経験のある人が、自分の今の状況を言葉にして教えてくれる——それが大きな意味を持ちます。
例えば「ショットに自信がないから厚く出しすぎている」というアドバイスをもらったとします。
自分では気づいていなかった癖が、スコアと上級者の言葉によって初めて「自分の課題」として腑に落ちる。
薄い球が苦手なら、まず練習で取り組む。
そしてボーラードで、今まで厚く出していた球を薄く出してみる。
厚く出すと手球の動きが限られますが、薄い球を狙えるようになると組み立てが一気に楽になります。
ボーラードは上達の地図になり得るのです。
ボーラードは、本質を問う種目です
エニーボールだから練習にならない——そう思う方がいるかもしれません。
でも考えてみてください。
9ボールや10ボールで勝つためには、まず的球をポケットに入れるショット力が必要です。
エニーボールでもその本質は変わりません。
むしろ自分が最も自信を持って入れられる球を選んで積み重ねることで、ショット力の基礎が磨かれていきます。
そしてエニーボールは、次にどこに出すかを自分で決めなければならない。
9ボールや10ボールは順番が決まっていますが、エニーボールは組み立ての自由度が高い分、思考力が問われます。
自分で選んだショット、自分で決めたネクスト——その判断力は、どんな競技形式でも生きてきます。
特に手球のコントロールという観点では、ボーラードには大きな利点があります。
ネクストを取りに行く際、手球がどう動くかを正確に理解している必要があります。
でも入らなかった球では、厚みが本来と異なるため、手球の動きも「本来の動き」ではありません。
外れた球の手球から学ぼうとしても、正確なフィードバックは得られないのです。
ボーラードは自分が確実に入れられる球を選ぶ。
だからこそ、ポケットした後の手球の動きが正確なデータになります。
その積み重ねが、そのまま9ボールや10ボールの組み立てに応用できるのです。
ボーラードは、あなたの今の実力と思考をそのまま映し出す鏡です。
初心者の方も、ぜひ自信を持って取り入れてみてください。
スコアという数字が、あなたの上達を正直に教えてくれます。
確率という現実
「そんな球外すか?」と思ったことはありませんか。
あるいは言われたことは?
でも実際のところ、簡単に見える球を入れ続けることは非常に難しいのです。
仮にショット成功率80%——10球中8球は確実に入れられるという高い精度で撞いたとしても、ボーラードの期待値はおよそ100点台前半です。
成功率80%でも、期待値は100点台。
その数字が何を意味するか——ビリヤードというスポーツにおいて、一球の重さと難しさを雄弁に語っています。
自分の今の実力を、数字が静かに教えてくれます。
人前ボーラードのすゝめ
ボーラードの練習効果に懐疑的な方がいれば——ぜひ一度、人前でボーラードをやってみてください。
入れる・入れないという技術の話ではありません。
どの球を選ぶか、次にどこに出すか——選択と組み立てという思考がそのまま表れます。
それがその人のビリヤードIQです。
人前でやってみることで、気づくことが多いのではないでしょうか。
自身のビリヤードIQが可視化されるというのは、少し気恥ずかしく、勇気がいることかもしれません。
でも、その不完全さの中にこそ、次への確かなヒントが詰まっています。
自分の現在地を知ることは、すべてのプレイヤーにとって、ステップアップのための最高の贈り物のはずです。
まずは1ゲーム、試してみてください。
スコアは正直です。
そして正直だからこそ、面白い。
協賛パートナー

Zen Custom Cue日本総代理店
東洋哲学に基づく「心手合一」の精神で生み出される、世界最高峰のオーダーメイドキュー。日本のトッププロも愛用する至高の一本を、日本で唯一お届けします。

NAOLLY
革のプロだからこそ実現できる、こだわりの高品質タップ・革製品を提供する東京発のブランド。多くのJPBAプロが信頼を寄せる、ビリヤーダーのための専門ショップです。

リネアカンパニー
トッププロへのスポンサードを通じて競技環境の向上に貢献し続ける、日本のビリヤード界を陰で支える情熱のパートナー。全て手縫い・手染めの革製品も手がけます。

住まいエージェント
横浜・湘南エリアに精通した不動産売買のスペシャリスト。仲介から買取再販、相続まで幅広く対応。あなたの大切な資産と新たな住まいを、地域密着10年以上の実績でサポートします。
