取引先の女性に、「お肌綺麗ですね」と言われた。
ありがとうございます、と答えた。
でも、なんだかすっきりしなかった。
その人の肌を見た瞬間、その言葉を素直に受け取れなかった。
帰り道、信号待ちでふと考えた。
化粧水も、美容液も、毎日欠かさない。
夜遅くなっても、洗顔だけは欠かさない。
食事も、揚げ物を控えるようにしている。
睡眠も、なるべく日付が変わる前には横になる。
それなのに。
あの人の肌には、どこか違うものがあった。
透明感というのか、肌そのものが元気に見えた。
何が違うんだろう。
外から塗るだけでは、届かない場所がある
私たちの細胞には、「NAD+」という補酵素がある。
加齢とともに体内のNAD+が低下することは、複数の研究で示されている。
皮膚でも同様の低下が報告されており、肌の恒常性や修復機能との関連が研究されている。
外から塗るだけでは、届かない場所がある。
運動が、NAD+を支える
NAD+を保つ方法のひとつとして、適度な運動が注目されている。
有酸素運動・レジスタンス運動は、NAD+の維持に関わる代謝経路を支える可能性が報告されている。
さらに、中年女性を対象とした16週間の運動介入では、有酸素運動・筋力トレーニングの両方で皮膚の弾力性や真皮構造が有意に改善したことも報告されている。
一方で、高強度の運動では体内でのエネルギー需要も高まるため、目的によっては適度な運動のほうが取り入れやすいと考えられている。
その夜のこと
運動が良いらしい。頭ではわかっていた。
でも日焼けはしたくない。
ヨガウェアのような肌見せにも、少し抵抗がある。
そんなことを考えていたら、友人から連絡が来た。
「ビリヤードやらない? 最近ハマってて」
同窓会の帰りに誘われたのがきっかけだったらしい。
誘われるまま、行ってみた。
普段着のまま入れた。
日焼けもしない。
メイクも崩れない。
思っていたより、悪くなかった。
肌は、外から整えるだけじゃない。
内側のコンディションも、少しずつ積み重なっていく。
あの人は、その積み重ねを、大切にしていたのかもしれない。
褒められたのに悔しかった、あの夜。
帰る頃には、次は自分も少し変われるかもしれない——そう思っていた。
次の美容習慣、ビリヤードにしてみませんか。
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参考文献
- Covarrubias, A. J. et al. NAD+ metabolism and its roles in cellular processes during ageing. Nat Rev Mol Cell Biol 22, 119–141 (2021). https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7963035/
- de Guia, R. M. et al. Aerobic and resistance exercise training reverses age-dependent decline in NAD+ salvage capacity in human skeletal muscle. Physiol Rep 7(12), e14139 (2019). https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6577427/
- Nishikori, S. et al. Resistance training rejuvenates aging skin by reducing circulating inflammatory factors and enhancing dermal extracellular matrices. Sci Rep 13, 10214 (2023). https://www.nature.com/articles/s41598-023-37207-9





