文化×ビリヤード
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自分の手で、やるしかなかった。
不快なことは、できるだけ遠ざけたい。 それは、たぶん誰でもそうだと思う。 暑ければエアコンをつける。 面倒な手続きは代行してもらう。 言いにくいことは、メッセー…
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何も起きなかった、いい一日だった。
目が覚めた。カーテンの隙間から、白い光が細く差し込んでいた。 まだ誰も起きていない。 布団の中で、しばらくそのまま天井を見ていた。 起き上がって、キッチンへ行く…
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あの日、横浜は燃えた。それでも、この街は立ち上がった。
1923年9月1日、午前11時58分。 横浜の街が、揺れた。 昼食の支度をしていた家々から、一斉に火が上がった。 わずか10平方キロメートルの市街地で、177か…
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数式を知らなくても、球は転がっていた。
アトラスは、天空を支えている。 両腕で、世界の重さを引き受けている。 「なぜ、空は落ちてこないのか。」 古代の人々は、この問いに数式で答えなかった。 代わりに、…
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テーブルの上の、キュビスム。
ピカソは、正面から見た顔と横から見た顔を、一枚の絵に描いた。 それまでの絵画は、一つの視点から世界を切り取っていた。 ピカソはそのルールを壊した。 同時に存在す…
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この街は、全部を知っている。
関内駅を出ると、空気が二つに分かれる。 東へ歩けば、馬車道。 石畳とガス灯の並ぶ通り。 日本大通りの銀杏並木が、風に揺れている。 県庁の重厚な壁。 開港記念会館…
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ハマっこは、知らないものに手を伸ばす。
横浜には、昔からこんな言い方がある。 「3日住めば、ハマっこ」。 生まれも育ちも関係ない。 昨日来た人でも、この街を好きになったら、もうハマっこ。 排他的な街で…
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まだ誰も知らなかった夜、横浜で。
1853年、7月。 横浜の景色は、大きく変わり始めようとしていた。 砂州の広がる、静かな半島の村に、突然黒船が現れた。 約100戸、500人ほどが農業と漁業でひ…
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好きなものと過ごす、時間のこと。
日曜日の朝だった。 カーテンから、白い光が差し込んでいた。 雨上がりの空気が、窓の隙間からほんのり漂ってくる。 外は静かだった。 冷蔵庫から豆を取り出した。 コ…
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波のない日には、波のない日の楽しみがある。——ビリヤード場という居場所。
朝から、海は凪いでいた。 それでも、ボードにまたがって沖へ出た。 波はない。 ただ、海が揺れている。 ボードごと、ゆっくりと上下する。 潮の香りが、鼻をくすぐる…
