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「毎回毎回ちゃんとリセットして一からやろうと。」
十月十一日、埼玉の志木。
JPBAの東日本の男子プロツアー、グランプリイーストの第5戦で、小川徳郎が優勝した。
このツアーでは、初めての優勝。
公式戦の優勝は、2023年の関東オープンから、およそ三年半ぶりになる。
冒頭の言葉は、大会の二日後に出た談話にある。
もとは、所属先の社長からの助言だったという。
よく撞けた試合のあとでも、そのイメージを次の試合へ持ちこまない。
小川は、試合ごとに気持ちをリセットするようにしていた。
決勝も、新しい気持ちで臨もうとした、と本人は話している。
種目は、10ボール。
八ラック先取で、勝った側がブレイクを撞く。
準決勝からは、七ラック先取。
ベスト16から、鈴木清司、土方隼斗、青木亮二。
三つ勝って、決勝の台に着いた。
決勝の相手は、羅立文。
今季のグランプリイーストで、すでに二つ勝っている。
この大会で、今年のMVPを早くも決めていた。
決勝は、七対四で終わっている。
途中の数字を、速報と談話からたどってみる。
先に一つ取ったのは、羅立文。
小川が三つ続けて、三対一。
四対二。
そこから、四対四。
そのあとの三つを、小川が続けて取った。
七対四という数字は、一度並んだ四対四を、書きとめない。
終盤には持ち時間がなくなり、一球ごとに二十五秒の時計がついた。
二十五秒は短く、少し焦って撞いた球もあった、と本人は振り返っている。
最後は、十一ラック目。
十番は、ポケットの口で鳴ってから、沈んだという。
小川徳郎は、アマチュアの時代に、名人位に就いている。
1961年に始まった、アマチュアのタイトル戦。
2015年の第55期から、2017年の第57期まで、三期。
そのあと、プロになった。
プロとしての優勝は、2019年に二つ。
全日本ローテーションと、東北プロフェッショナルオープン。
2023年に、関東オープン。
そして、今回が四つめになる。
経歴の欄で、2023年の次の行が、2026年になった。
ハウストーナメントで、一つ前の試合がうまくいった夜がある。
次の台へ移っても、手にはまだ、さっきの感じが残っているかもしれない。
このまま撞けば、また入る気がする。
けれど、ラックは組み直され、ブレイクは、また一球目から。
スコアボードの数字も、ゼロに戻されている。
さっきの台で沈めた球は、一つも、ここには残っていない。
負けた試合のあとでも、それは同じだ。
最終戦の第6戦は、十一月七日と八日、神奈川の川崎で開かれる。
今年のMVPは、もう決まっている。
それでも、どの試合も、一から始まる。
結果の出典
- On the hill!「2026 グランプリイースト第5戦:小川徳郎、グランプリ初優勝!」 https://www.onthehill.jp/archives/108105
- ビリヤードデイズ「小川徳郎 グランプリイースト初優勝。プロ4勝目。GPE-5 in 埼玉 WIND」(2026年10月11日) https://www.billiards-days.com/20261011-1/
- ビリヤードデイズ「『毎試合気持ちをリセットして臨み、納得いくような試合が出来た』――『GPE-5 in 埼玉 WIND』優勝・小川徳郎の談話」(2026年10月13日) https://www.billiards-days.com/20261013-1/
- 日本アマチュアポケットビリヤード連盟「名人戦」(歴代名人) https://japa.ne.jp/?page_id=482
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